ラスベガス銃乱射事件、特殊装置で殺傷力高める
銃に細工、前科なしパドック容疑者の動機解明は難航
2017年10月4日
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ラスベガスで10月1日に起きた銃乱射事件で、自殺したスティーブン・パドック容疑者 (64) が銃に特殊な装置を取り付け、連射できるように細工して殺傷能力を高めていたことが分かった。
通信が当局者の話として伝えた。
大量の武器保有と合わせ、入念に計画した犯行であることをうかがわせる一方、動機に関する手掛かりは依然乏しく、捜査は難航しそうだ。
事件では少なくとも58人が死亡し、527人以上が負傷した。
地元警察は「イスラム国」 (IS) などのテロ組織と容疑者との接点は現時点で確認できないとして、単独犯とみている。
ただ容疑者は前科がなく、当局の監視対象でもなかったため、警察は情報収集に難渋しているもようだ。
警察幹部は容疑者の「心の中に入り込むことができていない」と語り、動機の解明が進んでいないことを認めた。
ロイター通信によるとトランプ大統領は3日、容疑者は「(心を) 病んだ人間だ」と述べた。
米国で出回っている大半の銃は、引き金を引く度に1発しか銃弾が出ない仕組みになっている。
しかし当局者によると、容疑者は犯行に使用した銃のうち2丁に「バンプ・ストック」という装置を付けて簡単に連射できるようにしていた。
民主党のファインスタイン上院議員は、この装置を銃に取り付けると、1分間に400~800発の銃弾を発射できるとして使用に反対している。
目撃者によると、容疑者は10分以上断続的に乱射していたという。
容疑者は銃を乱射するために使ったホテル32階の部屋に犯行の3日前にチェックインし、23丁の銃や銃弾を持ち込んでいた。
スーツケースも10個以上あったとされ、ホテル側の危機管理に問題がなかったかどうかも問われそうだ。
トランプ大統領は3日、銃乱射事件を受け、「銃の法律についてはそのうちに話し合うだろう」と述べ、銃規制に関する議論を排除しない姿勢を示した。
ただ、銃規制をめぐる今後の対応策についての考えは語らなかった。
トランプ氏はこれまで、国民の銃所持の根拠となっている合衆国憲法修正2条を支持すると繰り返し表明しており、銃規制強化には消極的とされる。
一方、米下院では銃声を小さくする消音器の購入規制を緩和する法案が近く採決されるとみられていたが、ライアン議長は3日「採決の予定はない」と記者団に語った。
事件を受けて採決を先延ばしした可能性がある。
ロイター通信によると、野党民主党のシューマー上院院内総務は同日、銃犯罪の解決に向けて与野党が超党派で取り組むべきだとトランプ氏に訴えた。
これに対し、与党共和党のマコネル上院院内総務は「法律による解決を議論するのは時期尚早だ」と述べ、銃規制を議論することに慎重な姿勢を示した。
(2017年10月16日号掲載)
