Friday, 03 April 2026

クリントン氏の新刊 “What Happened”、苦い心境吐露

クリントン氏の新刊 “What Happened”、苦い心境吐露

回顧録のニューヨークサイン会に長い行列、徹夜組も

2017年9月13日

© Krista Kennell

昨年の大統領選で敗れたヒラリー ・ クリントン元国務長官は9月12日発売の回顧録で 「過ちを犯した」と選挙戦を振り返る一方、トランプ大統領の資質を疑問視した。

自身の私用メール問題を蒸し返した連邦捜査局 (FBI) やメディアへの恨み節を語るなど、敗北を未だに受け入れられない苦い心境も吐露した。

『What Happened (何が起きたのか)』と題された回顧録では、トランプ氏を痛烈に批判。

核・ミサイル開発を続ける北朝鮮情勢の複雑さについて「中国首脳から説明されなければ理解できない」と指摘し、基本的な知識の欠如は「大統領になりたくなかったかのようにさえ見える」と皮肉った。

自分が大統領なら 「就任後100日はまるで違ったものになっていた」と悔しさをにじませた。

クリントン氏の敗北を狙って選挙干渉を指示したとされるロシアのプーチン大統領をトランプ氏が擁護するのは「独裁者に魅了されているからだ」 と分析。

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長を「若くして権力を掌握した」と称賛したことにも触れ、人権意識が欠けていると非難。

また、コミーFBI長官 (当時) が投票日直前に、国務長官在任時の私用メール問題の再捜査を公表したため、優勢だった選挙戦から勢いが奪われたと批判。

選挙干渉疑惑よりも、クリントン氏に絡む醜聞の報道に熱を入れたメディアにも非があるとの見方を示した。

さらに、昨年10月の第2回候補者討論会を振り返り、自身に近寄ってくる共和党候補だったトランプ氏は「信じられないほど不快で、鳥肌も立った」と記すなど、トランプ氏への批判をちりばめた。

クリントン氏の回顧録の発売に合わせて、ニューヨーク・マンハッタンの書店でサイン会が開かれ、支持者ら数百人が長い列をつくった。

徹夜組もいて関心の高さを示した。

回顧録はインターネット通販大手アマゾン・コムで売れ行きトップ10入り。

クリントン氏は笑顔で支持者ら一人一人と握手を交わしたが、公にコメントはしなかった。

サイン会に訪れたスーザン・トーミーさん (69) は「クリントン氏が大統領にならなくてがっかりしているし、腹立たしい」と語った。

一方、サラ・サンダース大統領報道官は、この日の記者会見で回顧録について「クリントン氏が史上最も醜い (中傷合戦の) 選挙に敗れた末、誤った無謀な非難ばかり書かれた本の出版に勤 (いそ) しむのは悲しいことだ」とこき下ろした。

クリントン氏はこれまでに自伝『リビング・ヒストリー』や回顧録『困難な選択』などを出版している。


(2017年10月1日号掲載)