Wednesday, 25 March 2026

オバマ氏の広島訪問に現実味、米政権に肯定論拡大か

オバマ氏の広島訪問に現実味、米政権に肯定論拡大か

核廃絶の重要性、NY・タイムズ紙社説も大統領に促す

2016年4月13日


hiroshima declarationジョシュ・アーネスト大統領報道官が4月12日、5月の主要国首脳会議 (伊勢志摩サミット) に合わせたオバマ大統領の広島訪問検討を公式に認めた。

核の恐ろしさが現実化した広島はオバマ氏が掲げる「核兵器なき世界」の理念を映すと指摘。

現職米大統領による初の被爆地訪問に向けて、政権内で前向きな見方が広がっていることを窺わせた。

アーネスト氏は人類史上初めて核兵器が使われた広島について、オバマ氏が追求する核廃絶の取り組みの重要性を最も雄弁に物語る場所だと強調した。

訪問の可否を巡る最終決定時には「その詳細を説明する」とも話した。

アーネスト氏の発言は様変わりした。

広島への原爆投下から70年となった昨年8月6日には、オバマ氏が過去の訪日で「被爆地を訪れなかった事実」を強調した。

訪問が簡単ではないとの意味で、激しい議論が過去にあったことも紹介していた。

今回の会見ではそうした難点についてはほとんど言及がなかった。

4月11日にケリー米国務長官が広島の平和記念公園を訪問したことに対し、米国内では強い批判が出ていないことを受けて、米政府はオバマ氏訪問へ具体的な調整に入ったもようだ。

米メディアも広島訪問の可能性を相次いで報道している。

NY・タイムズ紙は4月13日付の紙面に掲載する社説でオバマ大統領の広島訪問を促し、残る任期で核軍縮推進への取り組みを強めるべきだと主張した。

社説は、ケリー米国務長官が広島訪問を果たした以上、5月の伊勢志摩サミットに出席するため訪日するオバマ大統領の広島訪問を妨げる要素はないはずだと指摘。

広島を訪問するなら自らが提唱した「核なき世界」の理念を生かし続けるため、何らかのはっきりした新提案を用意して臨むべきだと訴えた。

また社説は、オバマ大統領が2009年の「プラハ演説」で核廃絶を訴え、ノーベル平和賞の受賞にもつながったと回顧。

その後イラン核合意などの成果はあったが、ロシアとの核軍縮交渉や米議会の包括的核実験禁止条約 (CTBT) 批准問題では足踏みが続いたとして、大統領の努力不足を指摘した。

その上で社説は、オバマ大統領は、北朝鮮以外が順守している核実験モラトリアムを国連安全保障理事会に保証させるようにすることなど、できることがあるはずだとして「広島を訪問するなら意義深いものにしなければならない」 と論評した。



(2016年5月1日号掲載)