ブタの遺伝子を操作、改変数10倍以上に
ゲノム編集技術、人間移植の実用化へ前進
2015年10月12日
生物の遺伝情報を改変する「ゲノム編集」という最新技術を使い、ブタの遺伝子62個を操作して働かなくさせたとハーバード大医学部などのチームが10月11日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した。
一度に改変した遺伝子はこれまで6個が最高だったとみられ、その10倍以上に上る。
ゲノム編集技術の実用化に向けて前身したと言えそうだ。
また、ブタの臓器を人間に移植する「異種移植」につながるという。
ブタは臓器の大きさが人間に近い。
だが、ブタの染色体の中には、過去長期間にわたってブタに感染してきた 「レトロウイルス」 の遺伝子が組み込まれており、人間にブタの臓器を移植した場合、この遺伝子がウイルスを作り、人間に感染、病気を引き起こす恐れが指摘されている。
チームはブタの腎臓の細胞を使って遺伝子を分析し、62の遺伝子は人間にウイルスを感染させる恐れがあると割り出した。
最新の「CRISPR/Cas9」というゲノム編集技術により、これらの遺伝子を破壊。
ブタの腎臓の細胞と人間の腎臓の細胞それぞれ約1,000個を一緒に培養すると、遺伝子を破壊していないブタの細胞だと1週間でほぼ全ての人間の細胞にウイルスが感染したが、破壊した細胞だとほとんど感染しなかった。
(2015年11月1日号掲載)