バージニア州TV局で生中継の記者ら2人射殺、全米に衝撃
「銃社会」 の現実を前にしながら、盛り上がらぬ規制強化
2015年8月27日
「銃社会」の米国では、1年間に推計3万人以上が銃で命を落としている。
オバマ大統領は規制強化に前向きだが、合衆国憲法が保障する銃所持の権利を多くの市民や議員が重視。
銃犯罪が繰り返されても、規制強化の機運は盛り上がっていない。
「もし銃がこれほど簡単に手に入らず、(購入者の) 素性調査をくまなく実施していたら、この種の殺人を防げた可能性がある」。
来年の大統領選の民主党有力候補ヒラリー・クリントン前国務長官は事件の知らせを受けた後、訪問先のアイオワ州で銃規制強化に取り組む決意を強調した。
オバマ氏も「銃によって死ぬ人の数は、テロによる死者数の比ではない」と指摘。
オバマ氏は、銃購入時の犯歴調査の義務化を柱とする銃規制法制定を訴えてきた。
議会では規制に反対する共和党が上下両院で多数を占め、大統領選の共和党候補からも銃規制に積極的な声は聞かれない。
ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事はツイッターに「恐ろしい殺人に衝撃を受けている」と記したが、対策には踏み込まなかった。
米国では「武装の権利」が憲法で保障され、銃規制に反対する意見が根強い。
クリントン氏でさえ、武装の権利と銃規制の「バランス」 が重要との立場だ。
バージニア州で生中継中のテレビ局記者 (24) ら2人が射殺された8月26日の事件で、容疑者が合法的に銃を購入していたことが明らかになった。
犯行後に自殺したベスター・フラナガン容疑者 (41) は以前、射殺された2人と同じテレビ局で記者として勤務。
問題行動が多く解雇されたものの、犯歴などは報じられていない。
オバマ氏やクリントン氏が目指す銃規制強化が実現したとしても、今回のような事件の再発を防げるかどうかは不透明だ。
銃規制団体ブレイディ・キャンペーンの推計では、全米で年間約32,500人が銃による他殺や自殺、事故などで死亡。
1日平均で約30人が射殺されている。
(2015年9月16日掲載)