本命候補と目されるクリントン氏、試練続く
サンダース上院議員、リベラル層の支持拡大
2015年8月15日
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| © Albert H. Teich |
来年の大統領選で民主党の本命候補と目されるヒラリー・クリントン前国務長官 (67) が試練に曝 (さら) されている。
「社会主義者」 を自称するバーニー・サンダース上院議員 (73=*写真下) が党指名争いで急速に支持を拡大。
クリントン氏に物足りなさを感じるリベラル層がなびいているとみられ、陣営は求心力回復に躍起だ。
サンダース氏は東部バーモント州選出の無所属議員で、連邦議会では最左翼に位置する。
最低賃金の時給15ドル (約1,900円) への引き上げや大銀行解体による格差是正を訴え、最近の集会では数千人から1万人を超える動員力を見せている。
中西部アイオワ州に続き、全米で2番目に指名争いが行われる東部の重要州ニューハンプシャー州で地元大学などが8月7~10日に実施した世論調査では、サンダース氏は民主党支持者から44%の支持率を獲得。
37%のクリントン氏から首位を奪った。
全国規模ではクリントン氏の圧倒的優位は揺らいでいない。
党内の保守派に加え、女性や黒人、ヒスパニック系から広範な支持を得ており、支持者が白人リベラル層に偏るサンダース氏はいずれ頭打ちになるとの見方が支配的だ。
しかし、序盤戦の勝敗はその後の流れを左右しかねない。
クリントン氏は高額所得者への税控除制限を財源にした公立大の学費負担軽減策を発表するなど、リベラル層の取り込みに本腰を入れ始めた。
クリントン氏には長官時代に公務に私用メールアドレスを使っていた問題がつきまとい、連邦捜査局 (FBI) への私用サーバー引き渡しに追い込まれた。
クリントン氏と支持基盤が似通うジョー・バイデン副大統領 (72) が指名争いに参入し、三つ巴 (どもえ) となれば、サンダース氏に勝機が芽生えるとの分析もある。
2000年の大統領選でジョージ・W・ブッシュ前大統領と大接戦を演じた民主党のアル・ゴア元副大統領 (67) の出馬説まで出始め、クリントン氏の心中は穏やかでないはずだ。
(2015年9月1日号掲載)
