Monday, 30 March 2026

離婚で戸惑う子にエール、米在住弁護士共著のガイド

離婚で戸惑う子にエール、米在住弁護士共著のガイド

日米の親権制度の違いなど、現・元家裁調査官が翻訳本

2015年8月1日


parent divorce親の離婚に直面して戸惑い、苦しむ子らにエールを送ろうと、現役の家裁調査官と元調査官の大学教授がこのほど、離婚をめぐる疑問に優しく答える子ども向けのガイドブック『だいじょうぶ! 親の離婚』(日本評論社/¥1,620=税込み)を翻訳出版した。

神戸家裁伊丹支部の高島聡子主任(45)と共同で翻訳した京都工芸繊維大・学生支援センターの藤川洋子教授(64)は「子どもは両親のいさかいの原因が自分にあったと勘違いしやすい。

『あなたの責任じゃないよ』と伝えてあげたい」と話す。

約130ページ。

米国在住の弁護士2人による共著で、「これから誰が世話をしてくれるの?」「親に会いたくなったらどうしよう?」など子どもが抱きそうな22の疑問に答える形で、イラスト付きで平易に解説している。

日米の親権制度には違いがあり、末尾では日本の状況を補足した。

少年の非行や犯罪を専門にしてきた藤川教授は、親の不和や離婚をきっかけに、さまざまな不適応の症状を見せたり、適切な家庭環境が得られず、非行に走ったりする少年に心を痛めてきた。

2013年に渡米、国際離婚が日常の光景になっているボストン郊外の福祉施設や日本総領事館を足場にした離婚サポートの実践などを視察し、「離婚の理由は何であれ、面会交流をきちっと定めるなどし、子どもが両親から愛情を受け取る権利を守ることが徹底されている」と痛感した。

親権を取った親が、相手に子どもを会わそうとせず問題化することが多い日本。

家裁では面会交流をめぐる事件の取り扱いは増加傾向にある。

昨年4月、国際結婚の破綻などが原因で、片方の親に国境を越えて連れ去られた子どもの取り扱いを定めたハーグ条約が日本でも発効し、「共同親権」の感覚を持った人も増えているという。

藤川教授は「親権は親のためだけにあるのではない。

家庭の中で一番の弱者の子どもの視点に立つと、解決の道筋も見えてくるはず。悩んでいる大人にもぜひ読んでほしい」と話している。


(2015年8月16日号掲載)