キング牧師の足跡をたどる映画に高評価
選挙権の差別撤廃を求めた行進を描く
2015年1月19日
1960年代に高まった黒人解放運動の指導者マーティン・ルーサー・キング・Jr. 牧師を描き、全米で公開中の映画 “Selma” の評価が高い。
選挙権拡大を求める黒人を白人が弾圧した50年前の描写からは、白人主導の警察に黒人が反発した昨年の大規模抗議と同じ差別の構図が浮かび上がる。
ニューヨークの映画館では平日も観客の出足は好調。
牧師の功績を称える祝日の1月19日を前に、映画の舞台となったアラバマ州セルマでは主役の俳優や市民ら数千人が行進した。
映画は1965年、選挙権の差別撤廃を求めてセルマからアラバマ州都モントゴメリーへの行進を目指した黒人らの姿を描く。
1964年にノーベル平和賞を受賞したキング牧師はジョンソン大統領と交渉を重ね、選挙法の改正を促した。
行進を阻む白人主体の警察は衝突の舞台となった橋で催涙ガスをまき、棍 (こん) 棒で黒人を叩きのめし、若い黒人男性が射殺される場面もある。
白人主体のミズーリ州ファーガソン市警が昨年、丸腰の黒人青年を射殺し、抗議活動を重武装で抑え込んだ構図とも重なる。
「セルマ」 は2月発表のアカデミー賞作品賞の候補にも入ったが、黒人女性のアバ・ドゥバーネイ監督や主演の黒人男性は監督賞や主演男優賞にノミネートされなかった。
(2015年2月1日号掲載)