日米で航行の自由作戦を、トランプ氏訪日へ、同盟の好機
NATO欧州連合軍元最高司令官、スタブリデス退役海軍大将語る
2017年10月3日
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北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍の元最高司令官で、トランプ政権の国務長官候補にも名前が挙がったジェームズ・スタブリデス米退役海軍大将は、11月に予定されているトランプ大統領の訪日は中国に対抗する強固な日米同盟を打ち出す好機と述べ、南シナ海での航行の自由作戦参加など自衛隊の役割拡大を訴えた。
以下はスタブリデス氏との一問一答。
(*ワシントン共同 =豊田祐基子)
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Q: トランプ政権のアジア戦略の評価は。
A: オバマ前政権のアジア重視戦略は未完に終わった。
トランプ政権が環太平洋連携協定 (TPP) から離脱したのは、経済的にも地政学的にも誤りだ。
TPPは対中国の枠組みとして重要だった。
前政権は地域戦力を1割増やしたが、中国や北朝鮮の脅威を考慮すれば十分ではない。
ただ、現政権が日米同盟を最優先する方針は明確で、アジア関与の姿勢は揺らいでいない。
総合評価はB。
トランプ氏のツイッターではなく、現実に起きている出来事や政策を注視すれば安心するはずだ。
Q: 日米は中国にどう向き合うべきか。
A: 米中が (覇権国家と新興国家の衝突が戦争に発展する) 『トゥキディデスの罠 (わな)』に陥るのを避けるには、慎重な外交が必要となる。
トランプ氏は訪日で、台頭する中国に対抗する日米同盟を打ち出すべきだ。
中国は沖縄県・尖閣諸島の問題で圧力をかけ、日本の地政学的な重要性を弱めようとするだろう。
米国は尖閣を含む日本防衛の意思を強く打ち出すとともに、国際法の逸脱行為を容認しない姿勢を示す上で、南シナ海における航行の自由作戦の継続が必要。
中国による南シナ海の掌握を防ぐことは死活的となる。
Q: 日米の効果的な役割分担は。
A: 海上自衛隊は南シナ海で航行の自由作戦に参加すべきだ。
日本防衛のための統合作戦、北朝鮮を念頭に置くミサイル防衛強化や災害支援に加え、サイバー戦では防衛・攻撃の役割を共に担う構想が必要になるだろう。
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◆ ジェームズ・スタブリデス氏:1955年生まれ。
南方軍司令官を経て2009年、NATO欧州連合軍最高司令官に就任。
現職はタフツ大フレッチャー校学校長。
著書に『海の地政学』など。
(2017年11月1日号掲載)
