Wednesday, 25 March 2026

クルーズ氏にGOP結集の動き、トランプ氏の過半数確保厳しく

クルーズ氏にGOP結集の動き、トランプ氏の過半数確保厳しく

「恐怖」 を感じる有権者の実態明らかに、ライアン氏擁立論も

2016年4月6日


ted-cruz大統領選の共和党指名争いをリードしてきた実業家トランプ氏 (69) が4月5日のウィスコンシン州予備選で、追走するクルーズ上院議員 (45=*写真上) に敗れた。

7月の党大会までに代議員総数の過半数を確保することは一層厳しくなった。

トランプ氏が大統領になることに有権者が「恐怖」を感じている実態も明らかになった。

イスラム教徒の入国禁止やメキシコ国境の壁建設といった発言でも支持の落ちなかったトランプ氏だが、人工中絶の女性に対する処罰や、日韓の核兵器容認発言には反発が出ている。

NY・タイムズ紙によると、5日の出口調査ではトランプ氏が大統領になることに「懸念」 や 「恐怖」を感じる有権者は計58%に上った。

クルーズ氏は5日の支持者集会で 「勝利に近づいた。共和党を結び付けたのはわれわれだ」と述べ、自らの下に党が結集しつつあると強調した。

6日未明段階の獲得代議員数はクルーズ氏が514人で、トランプ氏の740人を下回る。

ただ、トランプ氏が全体の過半数1,237人を獲得できないと党大会で再投票になる。

これまでに各候補が獲得した代議員のうちトランプ氏は46%を占める。

しかし、過半数到達には今後57%のペースに上げる必要がある。

クルーズ氏が勢いを増し、中傷テレビ広告の効果も出ている中、かなり厳しくなってきた。

共和党内部では独走するトランプ氏の指名獲得阻止を狙い、2位のクルーズ上院議員をもり立てる動きが広がっている。

3月23日には指名争いから撤退したブッシュ元フロリダ州知事がクルーズ氏支持に回った。

クルーズ氏はキリスト教保守派の支持が厚く、強硬姿勢が売り。

「反ワシントン政治」 を掲げて主流派を否定する姿勢から党内で多くの敵を持ち、穏健な主流派のブッシュ氏とは対照的。

それだけにブッシュ氏による支持表明は、トランプ氏の指名獲得が現実味を帯びることに対する党内の焦りを浮き彫りにした。

心強い味方を得たクルーズ氏は「共和党が私の下に結束している証左だ」と胸を張る。

超保守派や宗教右派に主流派を含めた幅広い支持確保につながる可能性がある。

選挙を戦い抜く構えを見せる主流派のケーシック・オハイオ州知事には痛手。

トランプ氏の対抗軸を一本化するため、撤退圧力が強まりそうだ。

一方、共和党のライアン下院議長は先月の演説で、トランプ氏とクルーズ氏の間で繰り広げられる激しい中傷合戦を念頭に「米政治の醜さを普通のこととして受け入れてはならない」と戒めた。

トランプ氏つぶしでライアン氏擁立論も取り沙汰されており、出馬の可能性を意識して「分別ある候補」をアピールする演説だったとの見方もある。


(2016年4月16日号掲載)