米国で「ジカ熱」 感染者確認、潜在患者数は多数との見解
妊婦の感染に要注意、中南米では「小頭症」 の新生児急増
2016年1月29日
米疾病対策センター (CDC) は1月28日、昨年以降に中南米など流行地域への旅行から帰国した計31人が、「ジカ熱」 に感染していたことを確認した。
いずれも症状は軽いという。
CDCの担当者は記者会見で「実際の感染者数はもっと多いはず。
米国内で感染が起きた例はまだないが、南部の一部の州にはウイルスを媒介する蚊がいるので、今後限定的な流行はあり得る」と話した。
共に会見した米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は「世界中の研究者にも協力を求め、ジカ熱の診断キットやワクチン開発を急いでいる」と話した。
以下は、ジカ熱についての一問一答。
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Q: ジカ熱とはどんな病気。
A: 蚊が媒介するジカウイルスにより起こる感染症。
3~12日の潜伏期間を経て、軽い発熱や頭痛、関節痛などが出てくるが、症状は軽く2~7日程度で治まる。
予防薬や特効薬はなく、蚊に刺されないよう注意することが肝心。
感染者が多いブラジルでは、知的障害を伴うこともある「小頭症」 の新生児が急増しており、妊婦の感染と関係があるとみられている。
Q: 感染の広がり具合は。
A: 世界保健機関 (WHO)によると、中南米の20以上の国・地域で感染が報告されている。
米国や欧州でも、旅行などで中南米を訪れた人々の感染が確認された。
感染拡大を受け、WHOは初の緊急委員会を2月1日に開いた。
WHOの専門家は感染者が300万~400万人に達する恐れがあると警戒している。
Q: 旅行者にとっては心配だ。
A: 中南米各地では2月にカーニバルが行われる。
ブラジルのリオデジャネイロにはカーニバル期間中、100万人以上の観光客が訪れると見込まれている。
さらなる感染拡大が懸念され、渡航や外出を控える動きが広がると、経済的な打撃も拡大する。
ブラジル政府は軍も動員して蚊の駆除を進める方針だ。
Q: 夏にはリオデジャネイロ五輪がある。
A: 国際五輪委員会 (IOC) のバッハ会長は、WHOやブラジル当局と緊密に連携する意向を示している。
各国・地域の五輪委員会にもガイドラインや今後の対応策を通達するとしている。
Q: 今後、米国で感染が広がる可能性は。
A: 外国などで感染して米国内で発症した人から、ウイルスが蚊を媒介して別の人に感染する可能性はありそう。
しかし、今の時期ならば蚊は冬を越えられないので「限定された場所での一過性の感染」になるとみられている。
妊娠中または妊娠を予定している女性は、感染地域への渡航を可能な限り控えた方がよいだろう。
(2016年2月16日号掲載)