米国高速鉄道建設、インドネシアに続いて日中が受注合戦
コストパフォーマンスと短期工事の攻勢、劣勢を危惧する日本
2015年10月5日
日本と中国が、米国の高速鉄道建設計画の受注を争って火花を散らしている。
中国は習近平国家主席の訪米前に、米西部の高速鉄道建設計画に携わると急きょ表明。
日中が激しく争ったインドネシアの計画を勝ち取った中国は、新たな主戦場の米国でも攻勢に弾みをかけた。
日本勢は「性能や耐久性では負けないが、中国の安値攻勢は脅威」と警戒する。
中国企業6社が米国で設立した会社が9月中旬、ロサンゼルス — ラスベガス間の高速鉄道建設のため、米国企業と合弁会社を設立すると発表した。
数年前にはJR東海が新幹線の受注を目指した路線だ。
中国側の出資額や出資割合は不明。
具体的な資金繰りなど建設計画の詳細も明らかにされていない。
ただ、新華社などによると、中国側の中心は旧鉄道省が解体されて発足した中国鉄道総公司。
世界最大の鉄道車両メーカー、中国中車も参画しており、国を挙げてのプロジェクトの様相を呈している。
早ければ来年9月に着工予定とのこと。
日本勢が懸念するのは、受注を目指すロサンゼルス — サンフランシスコ間などの高速鉄道計画も「ドミノ倒し」 のように奪われる事態。
2029年までに最高時速350キロ超の列車を走らせ3時間弱で結ぶ計画だ。
JR東日本や川崎重工業などの日本連合が、新幹線などで採用された高度な運行システムや省エネルギー化した車両を売り込んでおり、安倍晋三首相は今春の訪米時にブラウン同州知事に採用を働きかけた。
参加企業幹部は「環境規制が厳しく地震が多いカリフォルニア州にうってつけだ」と胸を張る。
ただ、総工費は680億ドル (約8兆2千億円) 規模。
巨額の公金支出に厳しい世論もあり、「車両などの入札では特に価格が重視されそうだ」 (関係筋) とみられている。
中国商務省高官は「中国の高速鉄道は日本と比べて、コストパフォーマンスや工期の短さで優れている」と胸を張る。
「品質勝負」 の日本は中国の安値攻勢に対し劣勢になるとの危惧が出ている。
(2015年10月16日号掲載)