Monday, 30 March 2026

米国で日本酒の生産増強、和食人気の高まりで

米国で日本酒の生産増強、和食人気の高まりで

日系メーカー、カリフォルニアからの年間清酒出荷量増

2015年8月10日


sake makers米国で宝酒造 (京都市) や月桂冠 (京都市) などが日本酒 (清酒) の現地生産に力を入れ、製造設備の増強を検討する動きも出ている。

国連教育科学文化機関 (ユネスコ) の無形文化遺産に登録された和食はニューヨークやロサンゼルスなど大都市で人気を集め、米国人の口に合う新商品の投入でニーズに応えようと懸命だ。

現地生産品は輸送コストなどを抑えられるため、日本からの輸入品に比べて価格が安く、工場出荷から短期間でフレッシュな味わいの商品を消費者に提供できる。

清酒を扱う飲食店や酒販店の中心商品となっており「味に満足し、繰り返し買っていく顧客も多い」 (NYの酒販店)。

清酒「松竹梅」などを製造する米国宝酒造 (カリフォルニア州バークリー) の仲義博社長は 「米国産のコメは日本産と比べて麹 (こうじ) による糖化が進みにくいため、コメの吸水時間を日本より一般的に数時間長くしている」と語る。

工場にはコメを蒸す金属製の容器が並び、原酒ベースの年間生産能力は7,500キロリットルと1983年当初の7倍弱となったが「将来は増強が必要になる」と説明する。

愛好家を広げようと、にごり酒に口当たりの良い白桃などの味を組み合わせた新商品「ユキニゴリ」 (375ミリリットル) の出荷を今年6月に始めた。

米国月桂冠もカリフォルニアに工場を構え、年間生産能力は7,500キロリットルと稼働を始めた1990年の8倍強となった。

2025年までに1万キロリットルへ引き上げることを視野に入れる。

750ミリリットルで価格6ドル (約740円) 程度の主力純米酒などの販売が好調で「今後は商品群をより充実させ、ニーズに応えたい」と意気込む。

また、大関 (兵庫県西宮市) もカリフォルニアの工場からの年間清酒出荷量が右肩上がりで推移している。

特に、中小容量の商品が好調で、今年7月には300ミリリットル入りの純米酒 (価格は5ドル前後) を売り出した。


(2015年9月1日号掲載)