米国民の貯蓄率上昇、大不況の教訓?
景気に勢い戻らず、将来不安で節約に走る
2015年6月8日
家計の手取りから蓄えに回った割合を示す米国民の貯蓄率がじわじわと上昇している。
大不況を招いた2008年秋のリーマン・ショックから7年近くが過ぎても景気にかつての勢いが戻らず、国民は将来不安から節約志向を強めている。
米商務省によると、貯蓄率は4月時点で5.6%。
前月から0.4ポイント上昇した。
FRBのブレイナード理事は「収入が増えたり資産価値が上がったりしても、一時的かもしれないと考え、お金を使うことに慎重になっている」と国民の意識の変化を指摘する。
米国では国内総生産 (GDP) の約7割を個人消費が占める。
リーマン・ショック前は、借金で購入した住宅が将来値上がりすることを見込んでさらに金を借り、車や家具などの消費に充てる人が目立った。
貯蓄率は3%前後と低水準だった。
昨年からの原油安でガソリン価格が下がり、家計には余裕が出ているが、米国の個人消費に一向に火が付く様子はない。
今年1~3月の経済成長率は1年ぶりにマイナスに落ち込んだ。
米大統領経済諮問委員会 (CEA) のファーマン委員長は「原油安で家計所得は増えたが、増加分のほとんどが貯蓄に回ってしまった」と分析している。
(2015年7月1日号掲載)