米経済ゼロ成長、早期利上げ予測後退
市場揺らす変調、世界経済の先行き警戒感
2015年5月1日
米国経済は1~3月期に実質ゼロ成長に沈み、早期の利上げ観測が後退した。
世界経済の牽 (けん) 引役、米景気の変調は日本の株価急落の要因となるなど市場を揺さぶった。
米連邦準備制度理事会 (FRB) が今後の景気動向を楽観視しているのとは裏腹に市場では不安心理が台頭、世界経済の先行きに警戒感が強まった。
4月末に公表された1~3月期の米実質国内総生産 (GDP) 速報値は年率換算で前期比0.2%増と、市場予想の1.0%増を大きく下回った。
GDPの約7割を占める個人消費、輸出や企業の設備投資など成長率を左右する項目が軒並み悪化した。
市場関係者は「4月から米景気は回復するとみているが、ドル高などの影響で高成長は期待できないだろう」と指摘する。
GDP発表直後にFRBが公表した金融政策を決める連邦公開市場委員会 (FOMC) の声明は、実質ゼロ成長をなぞるように「経済成長は冬場に減速した」と景気判断を後退させた。
FRBは声明で利上げ時期の手掛かりを市場関係者に与えず、雇用情勢が一段と改善すれば物価上昇率は目標の2%に近づき、利上げの環境が整うとの見通しを変えなかった。
経済指標が示す景気見通しよりもFRBの想定は少し強気だったようだ。
(2015年5月16日号掲載)