Saturday, 04 April 2026

CIAの拷問に関する報告書公開、猛反発する共和党

CIAの拷問に関する報告書公開、猛反発する共和党

ブッシュ時代の暗部暴露、「政治的」 とオバマ政権批判

2014年12月10日


cia brutality米上院情報特別委員会が12月9日に公表した中央情報局 (CIA) の拷問に関する報告書に、共和党が反発を強めている。

ブッシュ前政権の暗部を暴こうとする民主党の政治的動機で、米国の安全が脅かされたと主張。

各国で反米感情が高まれば、批判に拍車を掛ける構えだ。

報告書の公表は、就任時から「拷問禁止」 を掲げてきたオバマ大統領が求めていた。

政権高官は9日、過去の事実を認めることで 「米国の透明性を世界に示す明快なメッセージになる」と意義を強調、前政権との違いをアピールした。

民主党は現在上院の多数派。報告書も同党のスタッフが作成した。

しかし年明けからは、中間選挙で勝った共和党が上院多数派となる。

民主党のダイアン・ファインスタイン情報特別委員長は公開を急いだ理由について、「共和党が上院を握れば、報告書は永遠に日の目を見なくなる」と率直に語った。

一方、共和党のミッチ・マコネル上院院内総務は「世界中の米国人を危険に晒 (さら) す以外、何の役にも立たない」と報告書の公開を批判。

情報特別委の共和党委員は「政治的動機で過去の事実を歪曲している」と内容にも異議を唱える。

前政権の当事者の1人であるディック・チェイニー前副大統領も、CIAの尋問方法は承認されており、問題はなかったとして、報告書を「戯言 (たわごと) ばかりの寄せ集め」と酷評した。

共和党内で異彩を放ったのがジョン・マケイン上院議員。

ベトナム戦争で捕虜となった経験から「拷問は米国に汚点を残した」 と論陣を張り、報告書の作成に謝意を表明した。

報告書をめぐっては、CIA職員が同委員会のコンピューターに不正アクセスして情報を探ろうとしたことが3月に発覚。

CIAが謝罪に追い込まれるなど発表前から暗闘があった。


(2015年1月1日号掲載)