米国の格安航空会社 (LCC)、新戦略相次ぐ
低価格競争からの脱却、高級志向と国際線進出を視野に
米国の格安航空会社 (LCC) が低価格一辺倒から脱却し、豪華な座席の導入や国際線への進出など、収益を高める戦略を相次いで打ち出している。
景気回復を追い風に航空運賃が上昇傾向をたどる中、割安感を演出しながら付加価値も高め、大手に対抗する。
米運輸省によると、国内線では昨年、1人当たりの平均運賃が前年比1.6%上昇の381ドル (約39,000円) と4年連続で前年を上回った。
昨年12月にはアメリカン航空がUSエアウェイズと経営統合して米最大の航空会社が誕生。
ユナイテッド航空、デルタ航空との3強体制となり、米航空大手幹部は「価格競争が一段落し、各社は独自色をより強めて集客につなげようとしている」と話す。
低価格路線に頼ってきたLCCの危機感は高まり、ジェットブルー航空は6月、ビジネス客の利用が多いニューヨーク=ロサンゼルス線で、座席が平らになり、大型画面もある上級クラスを導入した。
同区間の最低運賃は599ドルと大手より4割以上安い日もあり、ジェットブルーは「一級のサービスを格安で楽しみたい顧客にうってつけだ」と自信を示す。
サウスウエスト航空は7月、1971年の運航開始後初の国際線を開設した。
ワシントン近郊とバハマの首都ナッソーなどを結ぶ路線で、同社は「競争の激しい米国内だけでなく海外にも進出することで、新規顧客を開拓できる」と意気込む。
また、1980年代に「空の価格破壊」を起こしたLCC「ピープルエキスプレス」のブランドがほぼ四半世紀ぶりに復活した。
ビジョン航空が6月末に運航を始め、これまでに米国内で5路線を展開。
着陸料の安い東部の小規模空港を拠点とすることで運賃を抑え、利用客の拡大を狙う構えだ。
(2014年8月16日号掲載)