南極の氷床融解、温暖化で歯止めきかず
大幅な海面上昇は不可避、NASA 発表
2014年6月1日
南極大陸の一部で、温暖化する海の影響により氷床の融解に歯止めがきかなくなり、将来の大幅な海面上昇が避けられそうにないとする研究結果を、米航空宇宙局 (NASA) などの研究チームが5月に発表している。
NASAの研究者は「南極の氷が将来崩壊せずにすむ限界点を越えてしまった」と警告。
国連の気候変動に関する政府間パネル (IPCC=Intergovernmental Panel on Climate Change) が昨年、世界の平均海面が今世紀末に最大82センチ上昇するとの報告書をまとめたが「この見通しも上方修正が必要になる」と指摘している。
NASAのチームはレーダー衛星の観測データを使い、南極大陸の西側に位置する氷床の構造変化を分析。
その結果、温かい海水が氷床の下に入り込んで氷が解ける現象が加速しており、下の支えを失った氷が海に浮いた状態になって、さらに融解が進む悪循環が起き始めていると指摘した。
NASAとは別にこの現象を分析したワシントン大などのチームは同日、少なくとも200〜1,000年後に巨大氷床が崩壊して大規模な海面上昇が起きるとする予測を、科学誌サイエンス電子版に発表した。