Monday, 23 December 2024

ペットのCPR(心肺蘇生術) (2012.6.1)

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suzukisan.jpg 鈴木 博美

ドッグトレーナー

2匹のゴールデンレトリバーとの出会いをきっかけに犬の世界に興味を持つ。楽しく、且つ効果のあるトレーニング方法を求めて渡米。ケープ・エイブル・ケーナ イン(Cape-Able-Canine) のドッグトレーナー研修プログラムを終了。現在、ケーナイン・トゥ・ファイブ (Canineto Five) を立ち上げ、日本語によるドッグトレーニングクラスも開講している。幼稚園教諭の経験もある。

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ペットのCPR(心肺蘇生術)

ここサンディエゴでは竜巻や地震のような災害に出会うことはほとんどないのかもしれません。

しかし、数年に1回やってくる山火事では、多くの人が愛犬をも含めて避難を余儀なくされます。

そのような大きな緊急事態に遭遇することはまれなのですが、小さな緊急事態に直面することは意外と多いようです。

私は幼稚園教諭時代にも毎年救命講習 (人間用) を受けていましたが、ペットに対する救命講習 (ペット用) もトレーニング同様、オーナーとして習得しておいてほしいと思います。

私自身 Pet CPR インストラクターになるまでは知らないことも多く、その昔、私の犬がハロウィーンの時期にチョコレートをたっぷり食べてしまった時には「どうしよう、どうしよう、どうしよう」とあわてたものです。

まずは愛犬がどのような緊急事態を起こしやすいか考えてみましょう。

 

  1. 意識がなくなるほどの緊急事態が発生するには、発作、毒物を飲み込む、毒を持った生き物に噛まれる、落下、熱射病など高温に一定時間さらされた場合が考えられます。


     
  2. 誤飲はとても多く、小さな球状のものから信じられない大きさのものまで飲み込んでしまいます。

    rawhide や nylabone、靴下などは吐き戻してくれればよいのですが、体内に溜まっている場合には、数日後から数週間後に下痢や嘔吐の症状を見せることもあります。

    ねずみ用やナメクジ用の毒を誤って食べてしまった場合には、数時間後に急にぐったりとしてしまうなど劇的な変化が見られることが多いでしょう。

    人間には問題のない植物が犬にとっては急性中毒を引き起こす場合もあります。


     
  3. 出血は様々な原因により、様々な場所で起こり得ます。

    不幸にも、オフリーシュエリアで犬同士が遊んでいて、けんかに発展してしまい、ケガをした場合に出血は避けられないかもしれません。

    車にひかれる、突起物などによるケガ、多頭飼いをしていて、食べ物などをめぐってけんかをした場合などなど、出血の場面に出くわす時はいつも予想外の時が多いのです


  4.  特に3月頃から9月頃までは毒蛇にかまれた場合の対応を考えておくことも重要です。

    2012年は Encinitas、Del Mar、La Jolla の海沿いでも毒蛇が目撃されており、キャニオン沿いやインランド地域だけでなく、サンディエゴ全域で注意が必要となっています。

    このような場合には時間が勝負ですから、かかりつけの病院の電話番号と住所を携帯に登録しておくだけでなく、ノートに記入したものなどを車やかばんに常時入れておくことも大切です。

    愛犬と旅行をする場合には、必ず、その地域の緊急病院の情報を事前に入手しておきましょう。
     

 

 

救命講習の第1の目的は、緊急事態に直面した時に落ち着いて対応できることにあります。

それは意識がなくなった愛犬に完璧な心肺蘇生術が施せるという意味ではなく、素早く応急措置を施しながら、病院への連絡・移動をスムーズに行い、できるだけ早く専門機関にて処置を受けることにより、愛犬の命を助ける努力を行うことを意味します。

救命講習を受けることにより、愛犬への日々の観察視点が変わります。

また、愛犬の生活環境を見つめ直すきっかけにもなります。

多くの病気の場合、初期の段階ではオーナーからすると「気のせいかな?」「なんとなく…」という印象を与える行動・症状でしか現れないことが多く、この時点ですぐに病院へ行き、検査を受けることで早期回復が見込めることが多いのです。

「…しておけばよかった」ではなく「…しておいてよかったね」と、安心&快適な愛犬との生活を過ごしてくださいね。

  • Pet Tech: PetSaver™ Class

    www.pettech.net/programs.php

  • American Red Cross: First Aid for Dogs and Cats at San Diego Humane Society and SPCA

    www.sdhumane.org
※ここで紹介する方法はあくまでも一般的なものです。犬の年齢・気質により大きく変化しますので、専門家と相談しながら取り組まれることを推奨します。
(2012年6月1日号掲載)

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