トランプ政権発足2か月、米国第一予算に “弱者切り捨て” の非難
オバマ前政権による盗聴主張、根拠不明の批判で孤立深める
2017年3月22日
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トランプ大統領は3月20日で就任から2か月を迎えた。
公約実現に向けた「米国第一予算」 には弱者切り捨てとの非難が集中し、イスラム圏6か国からの入国規制には裁判所から 「待った」 がかかるなど、看板政策は相次いで壁に突き当たっている。
さらに、トランプ氏はオバマ前政権に電話を盗聴されたとの根拠不明の主張を繰り返し、孤立感が深まっている。
「トランプ予算の被害者は貧困層の子供たち」 (ワシントン・ポスト紙)。
政権が3月16日に発表した2018会計年度の予算方針は環境や外交の支出を削減したほか、教育予算も前年度比13%の約90億ドル (約1兆円) をカット。
両親が共働きする低所得層の子供を放課後に学校で預かる事業など多くが中止に追い込まれる見込みで、教育現場に動揺が広がる。
大統領本人をはじめ資産家がずらりと並ぶトランプ政権。
民主党下院トップのペロシ院内総務は「子どもや働く家族の未来を軽んじている」と批判し、議会多数派である共和党のロジャース前下院歳出委員長も「失望」を表明した。
前政権の医療保険制度改革 (オバマケア) を撤廃し代替制度を導入する法案は、保険非加入者を大幅に増やすと指摘され、異論が噴出。
イスラム圏からの入国を規制する新大統領令にはホノルル連邦地裁などが差し止め命令を出した。
ギャラップ社の最新世論調査によるとトランプ氏の支持率は40%と低迷、不支持率は55%で政権発足後最高に近い水準が続いている。
前政権による「盗聴」は、調査した議会の委員会幹部が「証拠がない」と否定。
「オバマ前大統領に謝罪すべきだ」との声が高まる。
メディアがこの問題を連日大きく報じる中、スパイサー大統領報道官は米国ではなく英国の情報機関が盗聴したかのような発言をし、英政府が不快感を表明。
ホワイトハウスは釈明に追われた。
3月22日付のウォールストリート・ジャーナル紙は、オバマ前政権に電話を盗聴されたと根拠不明の主張を繰り返すトランプ大統領を「真実を軽視すれば、大半の米国民は偽大統領と見なすようになる」と痛烈に批判する論説を掲載した。
論説は、連邦捜査局 (FBI) のコミー長官らが盗聴を明確に否定しても、主張を撤回しないトランプ氏を「酒のボトルを手放せない酔っぱらいのようだ」と指摘。
ワシントン・ポスト紙のダナ・ミルバンク論説委員は、トランプ氏が昨年の大統領選中に「愚かな大統領を世界が笑っている」とオバマ氏を非難したことを引き合いに、「今、私たちが世界から笑われても仕方がない」と嘆いた。
(2017年4月1日号掲載)
