中国をWTO提訴、オバマ政権で13件目
大統領選前に共和党の批判かわす思惑も
2016年7月14日
米通商代表部 (USTR) は7月13日、中国が自動車や航空機などに用いられる原材料の輸出価格を不当につり上げているとして、世界貿易機関 (WTO) に提訴した。
オバマ政権による中国の提訴は13件目。
市場への介入で自由貿易を歪 (ゆが) めていると中国に強硬姿勢で臨むことで、11月の大統領選をにらみオバマ政権の対中政策は手ぬるいと攻撃する議会共和党や、同党の候補指名が確定したトランプ氏を牽 (けん) 制する思惑がありそうだ。
USTRによると、原材料は銅や鉛、コバルトなど9種類で、中国は輸出の際に5~20%の税金を課している。
税金を払わずに原材料を購入できる中国メーカーはコストを抑えることができ、国際競争上有利になる。
まずは中国との話し合いによる解決を目指すが、決着しない場合、裁判の「一審」に当たる紛争処理小委員会 (パネル) の設置をWTOに求める。
トランプ氏は、中国が2001年にWTOに加盟して以降、鉱工業製品の輸入増などで「米国で5万超の工場が閉鎖された」と主張している。
中国側は米国の相次ぐ対抗措置に対して「問題解決に役立たない」と反発を強めている。
(2016年8月1日号掲載)