33年ぶりにキューバのテロ指定解除、米国務省発表
交渉進展、国交正常化に弾み、次は大使館再開の時期
2015年5月30日
米国務省は5月29日、キューバに対するテロ支援国家指定を解除したと発表した。
1961年以来の国交断絶を経て、今年1月に米国と国交正常化交渉を開始したキューバ側が強く望んでいた措置。
国交回復を意味する大使館再開に向けた最大の障害が取り除かれ、交渉進展へ大きな弾みとなった。
国交交渉の次の焦点は大使館再開の時期などに移り、両政府は早期実現へ詰めの交渉を加速させる。
国務省のラスキー報道部長は29日の記者会見で「埋めなければならない隔たりがまだ残っている」と述べ、大使館再開の合意にはなお時間がかかるとの認識を示した。
1982年のテロ支援国家指定から33年ぶりの解除。
米国による経済制裁が一部緩和されるが、依然として広範な制裁が残るため、オバマ政権が関係改善の意思を示した象徴としての意味合いが強い。
ラスキー氏は、キューバとの取引を控えていた金融機関が動きやすくなることなどを念頭にキューバの信用が改善する効果があるとの見方を示した。
オバマ大統領は2017年1月までの任期で、両国首脳の相互訪問などを可能な限り実現させる方針。
キューバは外国からの投資を呼び込み、自国経済の活性化につなげたい考えだ。
オバマ氏は昨年12月、キューバとの国交正常化交渉開始を電撃発表した。
テロ支援国家指定の解除を決め、キューバが直近6か月間に国際テロへの支援を行わず、将来も支援しないと確約したとする報告書を今年4月14日に議会に提出。
解除に先立つ議会での45日間の検討期間が5月29日に期限となった。
米国は、スペイン北部バスク地方の分離独立を掲げる非合法組織「バスク祖国と自由」 (ETA) や左翼ゲリラ、コロンビア革命軍 (FARC) などに協力したとしてキューバをテロ支援国家に指定していた。
(2015年6月16日号掲載)