ミズーリ州での黒人青年射殺、取り締まり強化を批判
人種差別の解消遠く、「警察の軍隊化」 への反発エスカレート
2014年8月20日
ミズーリ州ファーガソンの白人警察官による黒人青年の射殺事件は、人種差別問題の解消が今なお遠い米社会の現実を露 (あらわ) にした。
また今回は、必要以上の重武装で 「軍隊化」 した警察が住民を刺激し、強い反発を招いている。
住民の怒りの背後には、地元警察への根深い不信がある。
人口2万人超のファーガソンでは3分の2が黒人だが、警察はほぼ白人だけ。
職務質問やその後の逮捕の対象は9割が黒人に集中していた。
警察の相次ぐ不手際から8月14日夜には抗議活動が全米に広がった。
ニューヨークやロサンゼルス、シカゴなどで市民らが「手を上げたら撃つな」と訴えた。
ファーガソンの事件の被害者マイケル・ブラウンさん (18) が無抵抗だったとされる目撃証言に基づく。
ファーガソン市警は報復を恐れ、射殺した警官の氏名を明らかにしなかったが、15日、住民の批判に屈する形でダレン・ウィルソン氏だと公表した。
また、ミズーリ州警察は外部から入り込んだ一部の扇動者が混乱を誘い、略奪行為などを引き起こしていると判断、取り締まりを強化する考えを示した。
今回の事件では、戦場で使うような装甲車両で重武装した警察官が、抗議デモをする住民と対峙 (たいじ) した。
米メディアによると、中枢同時テロ以降、有事に備え地方警察にも軍隊並みの装備を供与する動きが連邦政府に広がった。
イラクやアフガニスタンの米軍部隊が減り、だぶついた軍需品が回っている側面もある。
オバマ大統領は8月18日の記者会見で「大半の人々が平和的に抗議している一方、ごく少数がそうでないのは明らかだ」 と語った。
治安責任者を務めるミズーリ州高速道路警察隊長も「犯罪者の多くはこの地域の人間ではない」 と述べた。
AP通信によると、被害者の葬儀がファーガソンで25日に執り行われる予定。
警察官ウィルソン氏の起訴を判断する大陪審の手続きも早ければ20日に始まるという。
(2014年9月1日掲載)