米国の景気回復加速、 ITバブル期以来の就業者数増加
NYSE史上初の17,000ドル台、金融緩和の「底上げ」 指摘も
2014年7月4日
金融危機後、長く低迷していた米経済の復活が鮮明になってきた。
雇用情勢は安定して改善、今年後半の景気回復加速に期待が高まる。
ただ、好調な経済指標が相次いでいるのは異例の金融緩和によって底上げされたとして、米経済の実力は低下しているとの指摘もある。
「米経済は勢いづき、前進している」。
オバマ大統領は7月3日の演説で、6月分の雇用統計が大幅に改善したことに自信を表明した。
就業者数の伸びが5か月連続で20万人の大台を超えたのは、ITバブル期の1999〜2000年以来。
良好な内容の雇用統計の発表を受けて、3日のNY株式市場のダウ工業株30種平均は、史上初めて17,000ドルの大台を突破した。
今年の米経済は記録的な寒波や大雪の影響で、年初からつまずいた。
個人消費や企業活動は鈍り、1〜3月期の実質国内総生産 (GDP) 成長率はマイナス−2.9%と大きく落ち込んだ。
しかし、春以降は巻き返しが目立った。
5月の新築住宅販売は22年4か月ぶりの大幅な増加率を記録。
6月の新車販売は7年ぶりに高い水準だった。
4〜6月期のGDPが回復軌道に戻るのは確実な情勢だ。
国際通貨基金 (IMF) によると、米経済は今年後半に勢いを強め、来年は3.0%の成長が期待できるという。
一方で、米連邦準備制度理事会 (FRB) の事実上のゼロ金利政策は5年半以上に及ぶ。
市場に大量のお金が出回るようにする量的緩和は今秋にも終える予定だが、資金供給量は今も増え続けている。
株価の過熱を警戒し、来年半ばとみられていたゼロ金利の解除時期が「来年前半に前倒しされるのではないか」 (米投資会社) との見方も出ている。
雇用改善が賃金の上昇につながり、現在は落ち着いている物価に波及するとみられるからだ。
だが、FRBのイエレン議長は「雇用回復の内容は不十分だ」とし、ゼロ金利をしばらく維持する姿勢を示す。
求職者を含めた働き手の割合を示す労働参加率が伸びず、低賃金の就職に甘んじている人が依然多いのが理由だ。
(2014年7月16日号掲載)