2023年7月6日
塩野義製薬 (本社:大阪市) は6月26日、抗菌薬の開発に強みを持つ米キューペックス・バイオファーマ (Qpex Biopharma, Inc.= 本社:サンディエゴ市) を約1億4,000万ドル (約200億円) で買収すると発表した。
既に正式な契約締結が行われ、7月中にもキューペックスが塩野義の完全子会社となる。
キューペックスは、従来の抗生物質等が効かない薬剤耐性菌をターゲットとする抗菌新薬の開発を
続けている。
買収により、塩野義製薬は薬剤耐性 (AMR:Antimicrobial Resistance) に対抗する感染症治療の
創薬を実現する体制を固めた。
AMRとは、抗生物質や抗生剤と呼ばれる一般抗菌薬の不適切な使用などにより、抗菌薬の効能が低下または消失すること。
または医療関係者の指示に従わず、自己判断で抗菌薬の服用を止めたり服用期間/服用量を守らないことから、抗菌薬を服用しても体内の細菌が生き残ってしまい、薬に対する抵抗力を強めてしまうことをいう。
塩野義製薬のニュースリリースによると、今回の買収で、同社はキューペックスが創出した広域阻害スペクトラムを有する新規β-ラクタマーゼ阻害剤であるボロン酸誘導体 Xeruborbactam (ゼルボルバクタム) の全世界での独占的開発・販売権を獲得。
これは薬剤耐性グラム陰性菌によって引き起こされる感染症に対抗するための新薬候補であり、抗菌新薬の研究と米国でのネットワーク強化により、感染症領域における画期的な治療法の開発が促進される。
米生物医学先端研究開発局 (BARDA) との連携も見込まれ、既存の感染症事業とのシナジーを生み出すことも期待されている。
塩野義製薬は既に、薬剤耐性菌に対する治療薬セフィデロコルを欧米など7か国で開発している。
塩野義製薬は既存の株主から約1億ドル (約143億円) で全株式を取得し、新薬の開発進行や規制当局からの承認に基づいて、最大でさらに約4,000万ドル (約57億円) を支払う予定。
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(2023年7月16日号掲載)