CDCは、ワクチン接種を完了した人が安全に集まり、または旅行するためのガイドラインを引き続き提供しています
毎年5月はアジア・太平洋諸島系(AAPI)米国人の文化遺産継承月間です。
AAPI米国人の活躍を称え、さらに米国の歴史の中でAAPIコミュニティが果たしてきた役割や貢献をコミュニティ内外で認識する期間です。
現在、アジア系に対する憎悪の広がりが懸念される中、AAPIコミュニティは依然として経済的、社会的に困難な状況に直面しています。今年のAAPI月間には新たな意味合いが加わりました。「希望」です。
5月の時点で、12歳以上の人は誰でもCOVID-19ワクチンを接種できるようになりました。
さらに、これまではワクチン接種の予約を取るのが困難でしたが、今後は予約しやすくなり、全国でワクチン接種数が延びると見込まれています。
5月17日現在、CDCの発表によると、157万人の米国人がワクチンを既に接種しました。
そのうち、少なくともアジア系(非ヒスパニック)は5.9%、ハワイ原住民および太平洋諸島民は合わせて0.3%を占め、約544万人のAAPI米国人が最低でも1回目のワクチンを接種したことになります。
さらに、ワクチン接種が開始されて以降、65歳以上の成人のうち84.5%以上がワクチンを接種しています。
この数字の伸びは、ワクチンを接種することで高齢者などよりリスクの高い人たちを社会全体で守ろうという一人ひとりの姿勢の表れです。
このことは、AAPIコミュニティに属する544万人の人たちが、近くにいる友人や家族に会ったり、遠方の友人や家族を訪ねたり、高齢者の人たちと集まったり、旅行をしたりなど、かつて普通に行っていたことをまもなく再開できることを意味しています。
ワクチンはCOVID-19による入院や死亡をほぼ100%防ぐことがわかっており、その効果は実証されています。
最近AARPが主催したパネルディスカッションでは、アデライダ・M・ロサリオ医師(Adelaida M. Rosario)が、ワクチン関連情報を入手するにあたり、アジア系アメリカ人、ハワイ原住民、太平洋諸島民(AANHPI)コミュニティが直面する固有の問題について語りました。
「AANHPIコミュニティは極めて多様なグループの集まりであることから、1つの方法がすべての人に最善ということはありません」とロサリオ医師は言います。
「保健社会福祉省は多くの資料を言語別に印刷版とオンライン版で用意しているため、私たちは各コミュニティの人たちに母国語で情報を届けることができます」と、ロサリオ医師はこのほど新たに立ち上げられた全国キャンペーン「We Can Do This(私たちなら、できる)」について触れました。
これは、15に上るAAPIコミュニティを対象にした広告キャンペーンです。
「パンデミックに加えて、現在、アジア系アメリカ人コミュニティにはステレオタイプに起因するネガティブな視線が向けられています。
これは非常に由々しきことです」とロサリオ医師は述べます。
「アジア系アメリカ人コミュニティ、特に高齢の人たちにとって、これはパンデミックと合わせて二重の苦しみと言えます。
健康を脅かす深刻な危機に加えて、酷い差別意識にも対処しなければならないからです。」
ロサリオ医師は、ワクチン接種により一部の人には副作用が出ることを認めています。
しかし、何百万もの人がワクチンを接種しても、軽い副作用が生じることはあってもほとんどが「特に問題ない」ことと比べると、その数は「極めて少なく」、「ごくわずか」なケースに限られる、と述べています。
「これは、自分の子供を一連の予防接種に連れて行くのと同じことで、わずかなリスクはありますが、そのリスクをはるかに上回るメリットがあります。
稀ではありますが、副作用は発生します。
けれども、米国だけでなく世界中でワクチン接種が進んだことで、感染者数が減少しており、全国レベルでワクチン接種が広まっていることは大変喜ばしいと思います。」
ワクチンに関して質問がある場合は、接種する前に最寄りの医療機関または医師に相談してください。
さらに詳しい情報を得たい場合は、信頼できる地域のリーダーを頼りましょう。
自分でインターネットにアクセスでき、オンラインで情報を検索できる方は、CDCのような信頼できる情報源をチェックするか、vaccines.govにアクセスしてお近くのワクチン接種会場を探すこともできます。
極論すると、1人でも多くの人がワクチンを接種することで、その分、社会全体がパンデミック以前の日常に一歩近づくことになります。
大学のクラスメイトから祖父母まで、友人から職場の同僚にいたるまで、身近な人にワクチンの接種を勧めましょう。
米国では夏に向けてワクチン接種率が人口の65%に近づいてきており、全員が一丸となって取り組んだ結果、事態は大きく前進しています。
来年の見通しは明るいでしょう。
次にAAPI月間を迎える2022年5月までには、米国内のワクチン接種率が100%に達することも夢ではありません。
We can do this!
私たちなら、できる!
(2021年6月1日号掲載)