Monday, 20 April 2026

全盲のヨットマン、太平洋横断 福島に到着、「世界初」

全盲のヨットマン、太平洋横断 福島に到着、「世界初」 

記念撮影に応じる岩本さん(左)とダグラスさん

小型ヨットでサンディエゴから太平洋横断に挑戦した全盲のヨットマン岩本光弘さん(52)が4月20日、ゴールの福島県いわき市の小名浜港に到着した。

2月24日に米サンディエゴを出港し、健常者の米国人男性 ダグラス スミスさん(55)とペアで全長約12メートルの「ドリームウィーバー号」を操作して無寄港で約1万4千キロを航行した。

日本視覚障害者セーリング協会によると、晴眼者(目の見える人)が風の向きなど状況を伝えながら、全盲の人がヨットのかじと帆を操る「ブラインドセーリング」での太平洋横断は世界初。

岩本さんは4月20日午前9時ごろ「ただいま。ありがとう」と手を振りながら入港。

支援者らに「諦めないで夢を実現できた私は、世界一幸せ者だ」と笑顔で語った。

岩本さんは2013年、今回と同様のやり方でキャスターの辛坊治郎さんと日本から米国に向けてヨットでの太平洋横断に挑戦したが、浸水による遭難事故で失敗。

太平洋上で海上自衛隊の救難飛行艇に救助された。

事故はクジラとの接触が原因とみられている。

当時は無謀な冒険だなどとして一部で批判的な声も出た。

この事故によるトラウマを乗り越えるためにトライアスロンを始め、「絶対に諦めない」という信念から今回の再挑戦を決めたという。

ペアを組んだ ダグラス スミスさん(55)は「誰でもできることではない。

岩本さんに強い意志があったから成功できたし、だからこそ私は彼を信頼できた」と話した。

岩本さんは20日「夢を持ち続け、諦めないことが大切だ」と成功の喜びを語った。

「こけても良い。もう一度立ち上がって歩きだそうよ」と語り、挫折を乗り越える素晴らしさを多くの人と共有したいとした。

台風並みの強風や大波にあおられ船は大きく傾いたといい「立ち上がれない時が一番怖かった」という。

岩本さんは熊本県出身でサンディエゴ在住。

先天性弱視のため、高校生のころに視力を失った。

(共同)



(2019年5月1日号掲載)