現実を批判的に視覚化する写真作品 中国農民工出身の世界的アーティスト
Wang Qingsong: Social Mobility
2022/8/14 (日) まで
San Diego Museum of Art
https://bit.ly/3NeQLbG
王慶松氏は、北京を拠点に活動する中国現代アーティストで、社会批判を喚起するような大型の写真作品を制作し続けている。
中国・湖北省の貧しい地域で生まれ育った王氏は、高校卒業後、湖北省の山奥で石油採掘の労働者となる。
中学の頃から美術に興味を持っていたものの、当時は労働者になることを当たり前だとっていた。
しかし、真面目に働いてもまったく浮かばれない社会を知る。その頃、現代美術と出会い、89年に四川美術学院に入学。
卒業後、広告会社に勤務。しかし、創作の夢を捨てきれず、北京郊外にある円明園画家村に移住し、アーティストとしての活動に専念する。
このコレクションには、風刺的なウィット、写真の細部へのこだわり、中国と西洋の伝統的な美術史への言及が随所に見られる。
各作品は、2000年代初頭の中国におけるグローバリゼーションの台頭がもたらした社会的、政治的、経済的な劇的な変化を解釈している。
俳優やスタッフを起用し、中国の伝統文化に対するグローバルな消費主義の広範な影響、中産階級の急成長、世界とのコミュニケーションの増加など、社会の側面をパロディ化した壮大な絵画を制作している。
「文化のイメージ」と「対立のイメージ」という2つのテーマにより、中国では社会的流動性が高まる一方で、当時の人々の物理的な移動が制限されるという逆説が作品に示されているのだ。
この展覧会は、アーティストの王慶松氏とのコラボレーションによって企画された。
また、美術館の解説員を含む地域の皆様から、展示作品に対する個人的なご意見を頂戴し、ギャラリー内の展示用タッチスクリーンでご覧いただくことができる。
本展は、当館が所蔵する写真8点を匿名でご寄贈いただいたことにより実現した。
右上の写真:王慶松《幼稚園》2002年。クロモジェニック写真。匿名の寄贈者からの資金で美術館が購入。
チケット:
大人 $20
シニア(65歳以上) $15
軍人 $10
学生 $8