作品を砕く野心的展示会 逆説的に伝える環境破壊
Disestablishment: John Raymond Mireles
1/30/2022 (日) まで
San Diego Museum of Art
https://www.sdmart.org/exhibition/disestablishment-john-raymond-mireles/
「ディスエスタブリッシュメント」展は美術館の概念を根底から覆してしまう。
サンディエゴ出身のアーティスト、ジョン・レイモンド・ミアレスは、国定公園としてのステータスが剥奪され、自然破壊につながる採掘や掘削が可能になった、驚異的な美しさを誇るユタ州の景観写真を公開。
ミアレスは、驚くなかれ、来場者にこれらの風景のイメージを「破壊」するよう呼びかけている。
彼の目的は「自然遺産が待ち受けている運命=人為的な破壊行為に晒されている現実=を直感的に理解してもらう」ことにあるという。
展示期間中、来場者は壁から外されたプリントを物理的に破損することが許されている。
作品を叩いたり、切り取ったり、踏みつけたり、引き裂いたり、タグを付けるなど、模擬的な破壊行為に手を染めることで、自然保護活動を起こさなければ誰もが「共犯関係」にあるという自覚を植え付ける。
「破壊」は展覧会の重要な一部であり、観客の行為と反応は撮影され、その一部始終が紹介される。
ユタ州南部の「エスカランテ-グランド・ステアケース&ベアーズ・イヤーズ」は1996年に国定記念物に指定された。
野生的で風光明媚な地域として人々に愛されてきたが、ここに存在する石油や石炭の鉱脈を民間企業が採掘できるようにするため、2017年に連邦政府はエスカランテを大幅に縮小し、3つの小さな区画に切り分けた。
これにより、処女性の高い見事な景観と考古学的に豊かな地形を永遠に損なう運命に直面する。
ジョン・レイモンド・ミアレスは、2019年にエスカランテ-グランド・ステアケース&ベアーズ・イヤーズを訪れ、以前は保護されていたものの、その後、掘削や採掘に開放された土地を撮影する。
本展では、セルロース紙(紙の原料をナノレベルまでほぐした超極細紙)にソルベントインク(高画質を可能にする顔料を有機溶剤に分散したインク)を使用した作品をプリント。
人間の暴挙と自然が受ける壊滅的なダメージの実感が伝わる、センセーショナルな展示会。
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チケット:
大人 $20.00
シニア (65歳以上) $15.00
軍人 $10.00
大学生 $8.00